パニック障害のこと

パニック障害とは?

では次はいよいよ具体的に「パニック障害」というものを考えていきましょう。

 

「パニック障害」というのも、「病気」のうちの一つであるわけですから、根本的な解決法としては「自分の生き方」を見直すしかありません。

 

でも、「自分の生き方」全部を見直すというのは、あまりにも時間がかかるし、発症して症状が出てしまっている時は、とりあえずの突破口も欲しいところですよね(ただ、このとりあえず対処というのばかりではいけませんが・・)。

 

そこで、「パニック障害」特有の原因・症状を考えることによって、「自分の生き方」のどの辺が特におかしくて、どういった心持ちで生活していったらいいのかということを推測してみましょう。

 

 

ではここで、僕が考える「パニック障害」というものを説明します。

 

「パニック障害」というのは、体や心が弱っている時に、何らかの「イベント(出来事)」を発端としてパニック発作が起こり、そのパニック発作がまた起こるのではないかと考えることで不安を募らせ、また実際に発作を起こすことによってさらに弱っていき、発作と不安が慢性化して「正常」の範囲を飛び出ちゃった状態と言えます。

 

 

続いてもう少し具体的に見ていきましょう。

 

まず、最初のパニック発作が起きるかどうかは「イベント」をどう受け止めるかというその人の受け止め方と、その時のその人の状態によります。

 

この「イベント」というのは、就職、離婚、死別などという人生の大事から、歯医者さんに怒られた、電車が止まった、持久走を走った、などという人によってはなんてことのないことまで様々なものが含まれます。

 

あとは、例えとんでもなく耐え難い「イベント」が起きたとしても、その時のその人の状態がとんでもなく良ければ、その「イベント」を何でもなかったものとしてやり過ごすこともあります。

 

もちろん、その逆も然りでたいしたことがない「イベント」でも、状態が悪ければ発作へとつながってしまいます。

 

ただ、ここでひとつ言っておきたいことは「パニック発作」は、誰にでも起こりうるものであるということです。

 

で、「パニック発作」が慢性化してしまう人もいるし、「パニック発作」が一時のこととして終わる人もいるということです。

 

決して「パニック発作=パニック障害」ではありません。

 

 

そして、「パニック発作」は死ぬほど苦しいし、死ぬほど怖いので、「パニック発作」を引き起こした「イベント」は「非常に危険なこと」として脳にインプットされます。

 

ちなみに、インプットのされ方(記憶の仕組み)は、脳という夜空に、電気信号で星座の花火が打ち上がるようなものです。(福岡伸一「動的平衡」より)

 

「危険なこと」が起こると北斗七星の花火がドーン、「昨日のご飯」は水瓶座、「子供の頃転んだこと」は天秤座みたいな感じです。

 

それで、現代人はナイーブなので一度そういったことが起こると、なかなか立ち直れません。

 

家にこもって、アレで発作が起こったから、コレでもなるんじゃないか、だったらアッチもなんて考え始め、しなくてもいいのに「パニック発作」の記憶の星座の花火をどんどん打ち上げてしまいます。

 

そして、同じ星座の花火を打ち上げれは打ち上げるほど、そのネットワークは強固になり、鮮明に記憶として残ります。

 

それで、常に「不安」なことが頭を支配しやすい状態になってしまうということです。

 

昔の豪胆な人々だったら例え恐ろしい発作があっても、時が経てば「そんなこともあったな〜」と笑ってすますことが多かったのでしょうが、いかんせん我々現代っ子はひ弱ちゃんです。

 

もちろん、劣っているところばかりではありませんが、タフさという面では敵わないでしょう。

 

 

ざっくり言ってこんな感じが「パニック障害」の原因と経過です。

 

 

では、続いて治療法の方へと入っていきたいのですが、その前に原因の「不自然で、弱々しく、流行りでないこと」を詳しく見ていきます。

 

原因を深く理解して初めて、その治療法が見えてきます。

 

「パニック障害の原因」に続く