パニック障害のこと

パニック発作(過呼吸)の対処法

では、最後にパニック障害の症状に関して、僕が実践した対処法の中で、最も効果的だったものを一つご紹介しておきます。

 

パニック障害の症状は、ふるえ、めまい、吐き気、動悸、ほてり、など色々ありますが、元をたどれば、パニック(うわ〜どうしようヤバイよ〜という危機感)による過呼吸に行き着きます。(<正常を救え>アレン・フランセスより)

 

パニック障害という検索ワードで検索する時に、複合キーワードとして「過呼吸」が群を抜いて多いことからも多くの人が「過呼吸」で悩んでいるのがわかります。

 

ですから、この「過呼吸」を起こさせないようにしてやると、「パニック障害」の諸症状はかなり軽減されます。

 

 

では、ここで「過呼吸」にならない方法をご紹介します。

 

それは、「呼吸を鍛えて、呼吸が上手になること」です。

 

「呼吸」を鍛えて、上手になれば、パニックになってピンチになった時も、少なくとも今よりは上手に対処できるようになります。

 

さらに付け加えますと、健康法の専門家に、効果的な健康法を挙げてくださいと聞いたときに、最初に出てくることが多いのが「呼吸法」であり、昔の人は「長唄」を唄うことによって呼吸を鍛えていたらしいです。

 

僕も、呼吸を鍛えることによって、それまで5秒も吐き続けることができなかった息が(当時喫煙してた影響も大)、数十秒吐き続けることができるようになりました。

 

こうなると、呼吸に関する「自信」がつくので、「ヤバくなったらとにかく息を吐く」ということが、しんどいながらもできるようになります。

 

 

それでは「呼吸」の大切さがわかったところで、続いて、呼吸について少し学びましょう。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。(「孫子」より)

 

「呼吸」は「呼」「吸」と書くように、まず「呼」であって、息を吐くことから始まり、続いて「吸」、息を吸う方へと移っていきます。

 

苦しい時はどうしても吸いたくなっちゃうんですが、たくさん新鮮な空気を吸おうと思ったら、最後まで吐ききることが重要になります。

 

水泳をやられてる方はご存知でしょうが、水泳の息継ぎは水面に顔が出たときに最後の息を「プッ」と吐くことによってその反射でたくさんの空気を吸い込みます。

 

最後の「プッ」ができない人は、新鮮な空気をたくさん取り込めないために、長い距離を泳いだり、速く泳ぐことができません。

 

 

そして、当たり前と言えば当たり前の話なんですが、なぜ我々は「呼吸」をして酸素を体内に取り入れなければならないかと言えば、酸素を使ってエネルギーを作りだして、体の機能を維持していかなければならないからです。

 

酸素を上手く取り入れることができないと僕らの感覚としては「苦しい」ということが問題になるわけですが、実際は「エネルギーが作れない」ということが問題になっているわけです。

 

ですから、極端な話エネルギーを他のものから作り出せれば「呼吸」をしなくても生きていけるのです。

 

実際に体には解糖系(嫌気呼吸)と言って、酸素がなくてもエネルギーを作り出せる仕組みもありますからね。

 

それで、最近見たテレビで面白かったのが「今でしょ!」の林先生が出ていた番組で、火山の噴出口にいるチューブワームという生物が噴出口の熱を使ってエネルギーを作り生きているというものです。

 

噴火口は酸素がないらしいんですが、酸素がない場所で、生物が生きていけるなんてありえないと思っていた僕は、これを知った時にまた少し呼吸への学びが深くなったのです。

 

 

と、少し話が脱線しましたが、何でもそうですが学んで理解が深まれば深まるほど、その対象に「興味」が湧いてきて、考えたり実践する機会が増えて、その対象が「好き」になったり、「上手」になるということがあります。

 

ちなみに、僕は歯医者さんが嫌いなのですが、歯医者の先生向けに書かれた本をムリクリたくさん読んで歯医者を知ることによって、少しだけ苦手を克服したということもあります。

 

この道具は何に使うとか、最新の治療法とか、先生の患者に対する治療中の心得とかを知ることによって、治療中の「一体何をやられるんだろう・・・」という不安を軽減したのです。

 

その他にも、例えば電車に乗るのが苦手な人は「鉄ちゃん(鉄道マニア)」になってみて、「鉄道愛を深めてみる」なんてのは面白いやり方だと思います(ちなみに、これもやってみましたが挫折)。

 

 

で、話を戻しますと「呼吸」を上手にしようと思ったら、呼吸法をいろいろ練習していけばいいわけですが、その中でもオススメなのが「座禅」です。

 

「座禅」は丹田呼吸法という深い腹式呼吸を使って行いますので、呼吸の良い訓練になります。

 

そして、ひとところに数十分間居続けることになるので、じっとしていることが苦手な人の訓練にもなります。

 

さらに「座禅」は僧侶が「平常心(我々が最も欲しいものであり、僧侶が求めるぐらいだから人間全体が欲しているものの一つでしょう)」を求めてやる「修行」で、過去1000年以上の歴史の研鑽に耐え続けてきた修行法です。

 

その方法が「古臭い」とか「最新ではない」とかいう、変な論調で隅に追いやられ活用されていない現状はもったいないと感じずにはいられません。

 

 

しかし、過去の僕も、「座禅なんて、自分とは関係のない世界のことでしょ」と強く思っていた人間で、座禅が効果的と知ってからもなかなか試しませんでした。

 

でも、どうにもしんどくなって藁にもすがる思いで試したところ、妙にスッキリするし、気持ちが落ち着いたので「これはいい」と思い半年ほどやり続けました。

 

ただ、体調が良くなったのをきっかけに「めんどくせ〜や」とまたやらなくなりました。

 

そうすると当然ながら徐々に体調が整わなくなる日が増えたのです。

 

そこでまた、1年ぶりぐらいに座禅を続けると心身共に整う日が増えました。

 

ということで、期せずしてなんですが(苦笑)やったりやめたりしながらその都度の体調をテストするような形になり、その結果「座禅」はパニック発作の対処法としてかなり効果的であるという結論に達しています。

 

 

賢い皆さんは僕のようにグズグズせずに、無料で簡単にできる対処法(座禅)をなるべく早く実践してみてください。

 

やり方も適当な本を読んだり、ネットで調べればすぐにわかるので、見よう見まねですぐできます。

 

以前、若いお坊さんに聞いた話では「とにかく座ること(やってみること)」が大事で、その人も時間を作って毎日座るようにしてから変わったとおっしゃってました。

 

 

 

「最後に一言」に続く